2007年04月10日

「HEART」のこと

今回の一人芝居の旅では8作品ほど上演しました。
その中でもお客さんの心を最も動かしたらしい(涙ぐむお客さんがいた)異質の作品「HEART」について話しましょうか。

一人芝居をやろうと思ったときに、「ちょっと変わったパフォーマンス」ができたらな、という思いはあったのですが、すでにやろうと決めた作品群と格闘しているうちに「そんな暇ないな」と一旦脇に寄せました。
ところがツアーが始まって刺激を受けると、やりたい気持ちが持ち上がってきて。

まず、「アート作品とからみたい」と思ったのです。
その時思い浮かんでいたのは、知り合い佐野成美の「心臓」という作品でした。この作品に初めて会ったのは昨年秋、大須賀町の神社の境内の木の洞に小さく、しかし燃え上がるように鎮座した姿でした。
早速成美さんに話をふると、面白がって協力してくれることになりました。

さて、「アート作品とからみたい」と言いながら、「からみかた」をいろいろとイメージしていく中で、「台詞より音楽が欲しい」と思い出しました。「音楽」それも「歌詞のあるもの」がいいような気がして、手元の楽曲を聴き比べているうちに、涼木大靖の「できそこない」という歌にあたりました。「これを初めて生で聴いた時は泣けたなあ」なんてことを思い出しながら、早速大靖に「曲を使いたい」と話すと、がんがん使って、という返事でした。そこでさらに聴き込んでもう一曲「ウイルス」を選び、この二曲を裏表にイメージを膨らませていったのです。

二曲入りテープを車でヘビーローテーション。この時期磐田に通ってたので、行き帰りで3時間、10日ほどの間に100回以上聴き込んだことになりますねえ。

しかしそれらも所詮イメージの世界。舞台に乗せるにはそれらのイメージを具体化しなければいけない。
そんな作業の話は次回へ。


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Posted by 伽藍座長 at 00:05│Comments(0)演劇
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