2013年09月02日

演出講座

今週末、高校生相手に「演出講座」をしてくる。


「演出って何やるんですか?」
と聞かれると、私は大抵
「バランスを見る役」
と答えます。

芝居の内容で言えば、「メリハリをつける」「緩急をつける」こと。
も少し具体的に言えば、
「戯曲に適した会話テンポの緩急を外から見て、中の役者と共に試行錯誤する」
「各々の役の立場やステイタスが変化する箇所を見極め、役者と確認作業をする」
「戯曲全体から考えて、その場面がどういった意味を持つのかの共通認識を、役者・スタッフと創る」
といったところでしょうか。

「緩急」「メリハリ」は、常に「全体を見る」という視点がないと成り立ちません。
全体を見て、細部を見る。そういうバランス感覚が必要だ、と。
ぶっちゃけ私の場合、「細部は役者が創るもの」と思ってます。役者が創ってきたものを「全体のバランス」を見ていろいろと試行錯誤していくのです。そこの細部も演出がやるべき、という意見もあるでしょうが、そうすると、役者の楽しみってなくなっちゃいませんか?
もちろんある程度の「演技指導」というものは必要で、あまり経験の無い役者と一緒に舞台を作る場合は特に時間を費やすべき部分かもしれません。が、役者が演出の操り人形になっている舞台って、(そこそこ高度なカンパニーの作品でない限り)中途半端な舞台になってるように感じる。(いや、本当は操り人形になってなくて中途半端なのかもしれませんが)


あと「バランス」という意味では、配役やスタッフ配置なども重要な役割ですね。

なんとなく、つづく。  


Posted by 伽藍座長 at 23:35Comments(1)