2009年02月10日

作者、西部をゆく

週末、浜北と磐田へ一泊二日で行って来た。

土曜日。
浜北で私の作品「月夜の晩にあなたはいない」を夢の島プロジェクトという集団が公演をしてくれたのを観劇。
次の日も公演があったので、アドバイスとして主演二人にワンポイントずつ。
夜は演出の自宅に宿泊。「聞きたい」というので、ちょっと厳しい意見もまじえつつ感想を。

日曜日。
朝から磐田で高校生と稽古。
3月26日(木)18時30分~、磐田市民文化会館での公演のため。
作・演出で関わっているので。書下ろしです。ラスト10ページ(15分)をまだ渡せていませんが、そこまでの1時間ちょっとのシーンを一通りチェック。

浜北の方は、もう何度も自分で上演している作品のため、自分の中にイメージが出来ている。それに縛られることなく観劇するのは難しい。でも、どう上演しようが、「ここはこうだろうな」という部分はある。それを自分で確認したり、そこを上演者に指摘したり。「もっといいものを作りたい」と思う人には(前にも書いたが)、言いたいことを言っていきたい。
でも次の日に公演があるときは役者には「プラスの即効性のあることだけ」言って、ダメージになるようなことは言いたくない。欠点を挙げていくのは簡単だ。でも、それがプラスになっていかないなら意味が無いと思っている。
「中途半端に演劇やっている奴をつぶしていく」という目的でもあるなら、それもいいが。演劇をやっている者としては、「中途半端でも演劇をやっている奴」が増えていかないと、「演劇」という、文化?芸術?自体が廃れていくわけだから困るわけだ。そして自分も「中途半端に演劇をやっている奴」であるから。
アンケートを読ませてもらった。かつて私が上演したのも観ている方(県西部の高校演劇部の先生)が、「やっぱりこの作品は名作です」とアンケートに書いてくれてたのは作者として素直にうれしかったです。

磐田の方は、新作。それも、年末に高校生とやったワークショップを元にしているため、ほぼ「あて書き」。とはいえ、限られた紙面で17人の役を描いているので全てを描ききれるわけではない。
「あて書き」は
「君がこの役をやることを前提で、君に合わせて描いた」
という意味合いはあるが、
「ここまでしか描けてないから、後は君に任せる」
ということでもあるんだな、と思いながら描いている。
それが楽しくなるくらいが、自分の現場としては理想。


自分の書いたものを過不足なく演じよう(創ろう)としてくれることは、それはそれでありがたい。
でも、自分の書いた以上のものが生まれるから「稽古場」という空間が魅力的になる、と思っている。
だから「生もの」である演劇は、面白い、と思っている。
何しろ私の書く本は「完璧」ではないし、「ここはこう演じてもらわなければ困る」というほど自分の才能を信じ切れていない。
でも、だからこそ
「自分の書いた以上のものが生まれる」ような本を書いていきたいし
「自分の書いた以上のものが生まれる」現場を大事にしていきたいと思う。

「中途半端」上等だ。


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Posted by 伽藍座長 at 00:43│Comments(0)日記
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