2010年01月31日

ただ今ここで

ドンキホーテは終了。
となったのですが、
好評の噂を聞きつけて
「もうやらないんですか?」
というリクエストも来る。

思うに、演劇はその時その場で観ないと駄目なのである。
昨日も会話中、こんな話になった。
ミュージシャンはライブやっても、『CDにはCDの良さがあるから』とCDでも楽しめる。
しかし、演劇は本番観損ねて、『DVDにしてあるから。これはこれで良さが』と言われても、多分本番の一割くらいの面白みしか体験できないからなぁ。
なんて。

先週、よく私の舞台を観に来てくれるお客さん(この人は演劇やらないで、観るのが好きな人)と話をしていて、野田秀樹の話になった。
野田秀樹がすごいなあ、と思えば思うほど、この人と同時代に生き、この人の作品を生で観られてるって、とても幸せなことなんだなぁ。
なんて。


3Dによって「やっぱり映画は映画館で見なきゃ。あの迫力は」なんて話になってますが、いずれ「ご家庭で3D体験を」という時代が来るんだろう。
便利な音楽配信になって、CDが売れなくなったために、「ミュージシャンがライヴを重視し始めた」なんて話を耳にする。

演劇は、映像がどんなに進歩していっても、やはり、劇場の生のものがメインであり続けているし、今後もあり続けるんだろう。
それは、「生だから伝わる」ものがあるということだ。だから、それを大事にしなければ演劇は廃れていってしまうんだろう。

表題の「ただ今ここで」というのは、戦後の静岡で演劇を始めた重鎮が、スタニスラフスキー・システムにのっとって稽古をしていた時の稽古場でよく聴いた言葉である。二十年以上前だったか。今もこの言葉は生きている。
技術がいくら進歩しても、スタニスラフスキーから100年、世阿弥から600年、ギリシャ悲劇から3000年、大事なことは変わっていないのかもしれない。


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Posted by 伽藍座長 at 19:58│Comments(3)日記
この記事へのコメント
ただいまここで。
そうそう。
懐かしいです。
Posted by おから at 2010年02月02日 21:56
あ、覚えてた?
欽ちゃんがね。
(萩本さんではありません)
Posted by 伽藍座長伽藍座長 at 2010年02月05日 23:09
ここで話題に上がっている重鎮というのは
「山崎欣太」氏のことである。
氏は今年6月21日に90歳目前でお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈りします。
Posted by 伽藍座長伽藍座長 at 2011年11月02日 18:46
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