2012年11月08日

本を書くということ

この秋の公演で、DMを送付した際、「新作はこれが最後かもしれない」と書きました。
まぁ、「こうやって書けば迷ってる人は観に来るんじゃないか」って戦略もありましょうが、実際にその文を書いてるときはそんな余裕もなかったわけで。

公演後に整理して書こうと思ってたのですが、いまだにどこから整理していいかわからないので、思いつくままに書いていこうと思います。


今まで台本を書く時、「公演が決まってるから書く」ということが多くありました。
わりと普通ですね。座付き作家なんかだとその公演のそのメンバーのために「新しく書き下ろす」。
自分も県民劇団やら、高校生の合同公演やらで毎年何本も書いてきたわけです。鷹匠で劇団持ってたときはさらにその分も。
今まではそれで書けていたのですが、ここ数年これに苦労していました。苦労しながらも何とかそれなりのものを書いてきました。でも、何か自分で満足の行くものが書けてない気もずっとしてました。

今まで自分の作品は「本として独立しても面白いものを」と思って書いてきたつもりでした。だから再演もたくさんしてます。静岡で芝居している人の中で私くらい自身の作品の再演が多い人もいないだろうと思います。
しかし、先日必要があって、自分の書いた作品の一覧表のようなものを作ったのです。そこで、試しに気に入ってる再演作品をマークしてみました。
「月夜の晩にあなたはいない」「あさきゆめみし」「いつか花咲く」「捕われのマルガリータ」「忘れた森」「箱舟」「風鈴」「浜辺の猿」・・・
見事に30代の時に書いた作品ばかりでした。40代になってからは「浜辺の猿」くらいですね。客観的にみれば、「作家として脂がのっていたのは30代の時だった」と言えるのです。40代になってからは「筆が鈍ってきている」と私は見ます。

そこで、これ以上無理をしてもいい結果は出ないだろうと判断したわけです。
「公演が決まっているから書く」というのは、もうよそう。と。

「脱筆宣言」ではありません。公演とは関係なく、書きたいものが出来て書くことはあるかもしれません。つまり「本が書けたから公演をする」という形。

実際、一人芝居は何だかんだで新作が出来たりしています。まぁ、一人芝居の場合正確には「本を書いている」かどうか、疑問なのでここではあえて外して話してます。

今回の公演でも終演後に何人かのお客さんに「本当にもう書かないんですか?」と心配されましたが、全く書かないというわけではありません。ただ、「書下ろし」はもうできないだろう、と思っています。

つづく


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Posted by 伽藍座長 at 21:35│Comments(2)日記
この記事へのコメント
うーん。

うなりますねぇ・・・
Posted by ながい at 2012年11月20日 15:36
まだ君は若いから本書いてていいよ。

ただいつか、何か感じる時は立ち止まってみる事も必要かもしれない。
Posted by 伽藍座長伽藍座長 at 2012年11月29日 00:54
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    コメント(2)